「高級感のある住まい」と聞くと、多くの人は大理石や無垢材、輸入建具といった”素材”を思い浮かべるかもしれません。もちろん素材選びは大切です。
しかし、私たちMADARAが本当に高級感を左右すると考えているのは、もっと地味で、もっと見えにくい部分——「納まり」です。
「納まり」とは何か
納まりとは、建材と建材、面と面がどう出会い、どう処理されているかという、建築の”継ぎ目”のデザインです。壁と天井の取り合い、床と巾木の関係、建具と枠の隙間、スイッチプレートの色や位置——ひとつひとつは小さな判断ですが、その積み重ねが空間全体の印象を決めています。
逆に言えば、納まりが雑な空間は、どれだけ良い素材を使っていても「安っぽく」見えてしまいます。
巾木が太すぎる、目地がずれている、配線がむき出しになっている。こうした細部の”ノイズ”が視界に入るたびに、人は無意識のうちに空間の質を値踏みしてしまうのです。
「引き算」でノイズを消す
MADARAのデザインは、侘び寂びの思想に根差した「見立て」の美学を大切にしています。
それは単に古いものを活かすということだけでなく、空間から不要な要素を引き算していくという姿勢でもあります。
マンションリノベーションで私たちが実践している納まりの工夫には、たとえばこのようなものがあります。
- 空間の演出に合わせてディテールを設計する
- 部屋の用途や見せたい雰囲気によって、どこにノイズを残し、どこを消すかを使い分けます。同じ住戸の中でも、リビングとプライベート空間では求められる”静けさ”の度合いが異なるため、一律のルールではなく空間ごとに納まりを設計します。
- 壁のデザインに合わせてスイッチプレート・コンセントプレートを使い分ける
- 壁紙やクロス、塗装の素材・色・質感は壁ごとに異なります。既製品のプレートをそのまま使うと壁面に違和感が生まれるため、壁のデザインに合わせてプレートの素材や色を一つひとつ選定し、壁面の連続性を損なわないように仕上げます。
- 壁ごとに巾木を選定する
- 巾木は住戸全体で統一すればよいわけではありません。壁の素材や役割、光の当たり方によって、あえて色や見付け寸法を変える、あるいは巾木自体を設けない納まりを選ぶなど、壁一枚一枚に合わせた判断を重ねています。
納まりは「設計図」だけでは決まらない
納まりへのこだわりは、意匠設計だけで完結するものではありません。実際には、施工図に落とし込み、現場で職人と何度もすり合わせながら実現していくものです。
「図面上はきれいに見えても、実際に納めてみると干渉する」
「この素材の厚みだと目地が揃わない」
——そうした現場でのすり合わせの積み重ねこそが、最終的な空間の質を決めます。だからこそMADARAでは、設計から施工図の作成、現場管理までを一貫して手がけ、細部の納まりまで責任を持って詰めていくことを大切にしています。
ノイズのない空間が、高級感をつくる
華美な装飾を足すのではなく、視界に入るノイズを一つずつ消していく。この「引き算の美学」こそが、MADARAが目指すマンションリノベーションの本質です。
派手さではなく静けさ、足し算ではなく引き算。見えない部分にまで手をかけた納まりの積み重ねが、住む人の感覚に「上質さ」として静かに伝わっていく——それが、私たちが「納まり」にこだわり続ける理由です。
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