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大空間リビングをどう魅せるか?タワマン高層階にふさわしいゾーニング術

2026.10.05(Mon)

落合ブログ

大空間リビングをどう魅せるか?タワマン高層階にふさわしいゾーニング術

「広いリビング」が、かえって落ち着かない理由

タワーマンションの高層階に住む魅力の一つに、開放的な大空間リビングがあります。壁や柱に遮られることなく、玄関から窓際まで視線が一気に抜けるような広さは、タワーマンションならではの贅沢です。

しかし実際にその広さを手に入れてみると、「広いはずなのに、どこか落ち着かない」「家族がそれぞれ離れた場所でバラバラに過ごしている感じがする」と感じることがあります。これは、広さそのものの問題ではなく、その広さの中に「場」が設計されていないことが原因であることが多いのです。

何もない大きな一室は、一見すると自由度が高いように思えますが、実際には「どこで何をすればいいか」が曖昧になり、人は本能的に居場所を見失います。MADARAが大空間リビングの設計で大切にしているのは、壁で区切るのではなく、空間の中にいくつもの「居場所」をやわらかく共存させるという考え方です。

壁を立てずに分ける、「ゾーニング」という発想

一般的に「部屋を分ける」というと、壁や建具で物理的に仕切ることを思い浮かべますが、タワーマンションの大空間リビングが持つ開放感や眺望を活かすなら、壁を立てずに「気配」で分けるゾーニングが適しています。

MADARAでは、以下のような手法を組み合わせて、ひとつの大空間の中に複数の「場」をつくります。

  • 天井高や天井の素材を変える:リビングゾーンは高く開放的に、ダイニングゾーンはあえて天井を少し下げて落ち着いた高さにするなど、見上げたときの印象で場の切り替えを感じさせる
  • 床の素材やレベルを変える:フローリングからタイルへ、あるいは一段上げた小上がりへと切り替えることで、歩く感覚そのものに境界を持たせる
  • ラグや家具の配置で「島」をつくる:ソファやローテーブルをひとまとまりに配置し、周囲に少し余白を残すことで、壁がなくても「ここが一つの場」という認識が生まれる
  • 照明のゾーンを分ける:リビングは間接照明中心の落ち着いた明るさに、ダイニングはペンダント照明で手元を明るく、というように、明暗のコントラストで場の性格を切り替える

これらはいずれも、空間を物理的に遮断するのではなく、人の感覚に「ここからここまでが一つの場」と認識させるための手法です。視線は遠くまで抜けたまま、体感としては複数の居場所が共存する——これが、開放感と落ち着きを両立させる鍵になります。

「動線」と「目的」からゾーンを逆算する

ゾーニングを考える際、MADARAではまず家具の配置図から入るのではなく、その空間でどんな過ごし方をしたいかから逆算します。

  • 来客時にリビング全体を見渡せる、もてなしのための「主役の場」
  • 家族が映画を観たり、ソファでくつろいだりする「くつろぎの場」
  • ダイニングテーブルを囲み、食事や会話が生まれる「団らんの場」
  • 眺望を独り占めできる、窓際の小さな「一人の場」

これらの「場」は、家族の人数やライフスタイルによって、必要な数も広さも変わります。大切なのは、一つの大空間の中に、用途の異なる複数の「場」が無理なく共存するバランスを見つけることです。広さに任せてすべてを均等に配置するのではなく、一番長く過ごす「場」を中心に据え、そこから他の場を関係づけていくことで、暮らしの実態に合った空間が生まれます。

眺望と家具配置の関係も、ゾーニングの一部

大空間リビングの魅力を語るうえで欠かせないのが、窓の外に広がる眺望との関係です。せっかくの開放的な景色も、ゾーンの区切り方次第では遮られたり、逆に活かされたりします。

  • 眺望を最も楽しみたい「くつろぎの場」を窓側に配置し、視線の抜けを最大限に活かす
  • ダイニングなど、比較的滞在時間が短く視線が集中しやすい場は、窓から少し離れた位置に置き、景色を独占しない構成にする
  • 背の高い家具や収納は窓から離れたゾーンにまとめ、景色への視線を遮らないようにする

ゾーニングと眺望の設計は、別々に考えるものではなく、一体として組み立てることで、空間全体の完成度が上がります。

「余白」も、ゾーニングの重要な構成要素

ここまでご紹介してきたゾーンとゾーンの間には、あえて何も置かない「余白」を残すことも大切です。ゾーンとゾーンがぴったりと隙間なく隣接していると、空間はかえって窮屈に感じられます。

隣り合う場と場の間に、意図的な「間(ま)」を持たせることで、それぞれのゾーンが独立した居心地を保ちながら、全体としては一つの大きな空間としてのびやかさを失わない——この絶妙なバランスこそが、タワーマンションの高層階という条件を最大限に活かした、大空間リビングの設計だと考えています。


こんなエリアでのご相談をお受けしています

横浜市中区・西区・みなとみらいエリアのマンション、都内のタワーマンションで、「今の住まいを、もっと質の高い空間にしたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。間取りや面積の制約がある中でも、照明計画と余白のデザインによって、空間の印象を大きく変えるご提案が可能です。

もちろん、上記エリア以外のマンション・戸建てのリノベーションについても、幅広くご相談いただけます。エリアを問わず、まずはお気軽にお問い合わせください。

この記事に関連する話題 ▶ あなたの人生が、空間になる。(住まいや働く場づくりで、大切にしていること) ▶ 空間は、人を変える。(時を経るごとに良くなった、ある家の話)

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この記事を書いているのは、横浜を拠点に、東京・神奈川・横浜でリノベーション設計施工、全国でリノベーション設計を手がける株式会社MADARAです。住宅やオフィス・店舗、収益不動産・宿泊施設まで、空間ブランディングの視点で設計しています。

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