不動産専門誌に寄稿しました。
——収益不動産にも、愛を。
月刊『不動産コンサルティングプラス』2026年3月号
古い建物は、本当に価値がないのでしょうか。
築年数が古い。設備も古い。デザインも時代遅れ。そういう理由で、多くの建物が「負動産」として扱われています。
でも、リノベーションの仕事を17年続けてきた私には、まったく違う景色が見えています。
多くの建物は、まだ本当の価値が引き出されていない。古さは欠点ではなく、その建物にしかない個性です。目的・ターゲット・物語——この3つの視点で空間を再編集するだけで、同じ建物がまったく新しい価値を持つ場所に生まれ変わることがあります。
このたび、不動産実務者向け専門誌・月刊『不動産コンサルティングプラス』2026年3月号の「デザイン思考」コーナーに寄稿させていただきました。タイトルは「建てない建築士が実践する不動産価値を再編集するデザイン」。今回はその記事に込めた思いを、少し砕けた言葉でここでも語らせてください。
読者に届く言葉に、翻訳する
不動産のプロたちが読む専門誌に寄稿するとき、私は少し考えました。
「空間の精神性」「人と空間の一体感」——私が普段大切にしているテーマです。でもそのままの言葉では、不動産実務のプロには届かないかもしれない。
だから今回は、同じ思想をロジックとビジネスの言葉に翻訳して書きました。共通言語で話すことが、相手への敬意だと思っているので。
記事の中では、目的思考・マーケティング思考・ブランディング思考という3つの軸を中心に、カワサキ文化会館・東京別荘六本木・新小岩の宿泊施設という3つの事例を通して、不動産価値の再編集という考え方を書きました。
目的思考——この不動産は何のために存在するのか。マーケティング思考——誰に使われるのかを徹底的に考えること。ブランディング思考——その不動産はひと言で何者として語られるのか。
この3つが揃ったとき、新小岩の宿泊施設では開業1週間で2か月先の予約が3分の2埋まりました。月売上は繁忙期に200万円超。賃貸運用と比べて3〜5倍の収益です。
数字だけ見ると「すごい」で終わってしまいますが、私が一番嬉しかったのは口コミに「建物に入った瞬間に歓声が上がった」と書いてくれた人がいたことです。数字の裏に、人の喜びがある。それが全てだと思っています。
誌面の様子
根っこにある想いは、いつも同じ
でも、翻訳しても変わらない根っこがあります。
リノベーションを続けてきた17年の中で、空間が生まれ変わり、人々がまた集まって喜び合う姿をたくさん見てきました。
廃れかけた建物が、新しいコンセプトを得て輝き始める。そこに人が集まり、笑顔が生まれる。その瞬間を何度も見てきたから、「不動産は再編集するもの」という確信が生まれました。
利回りや儲けだけで不動産を考えていたら、この喜びには辿り着けない。
誌面の様子
収益不動産にも、愛を。
「できるだけ安くつくりたい」「利回りさえ出ればいい」——不動産の現場では、今もこうした判断が多く見られます。
でも、それだけでは長続きしません。
誰かの人生のストーリーが込められた空間には、自然と愛着が生まれます。愛着が生まれると、大切にしたくなる。大切にされた空間は、さらに豊かになる。そこに人が集まり、口コミが生まれ、収益につながる。
愛着は、精神論ではなく不動産戦略なんです。
不動産のプロの方々に、そのことを少しでも伝えられたなら嬉しいです。
収益不動産にも、愛を。
これは感情論ではなく、
価値を持続させるための戦略です。
空間づくりについて、まずお話を聞かせてください。
どんな経緯で、どんな空間をつくりたいのか。
その話から、一緒に始めましょう。
※ご相談は無料です