なぜ私たちは、初回打合せで
空間の話をしないのか。
MADARAに相談に来たのに、最初に間取りや内装の話にならない。そう感じる方が、いるかもしれません。
これは、意図的なことです。
初回の打合せは、あなたの人生を聞かせてもらう時間だと考えているからです。どんな記憶があって、今、何を大切にしていて、これからどんな暮らしや仕事を思い描いているのか。その話を、間取りよりも先に聞かせてください。
なぜ、空間より人生の話が先なのか。理由は、二つあります。
その人生が、空間の設計図になるから
ひとつ目の理由は、あなたの人生そのものが、これからつくる空間の材料になるからです。
以前、一年後に訪ねたお客様の家が、完成直後よりもさらに良くなっていたことがありました。なぜあの家は、時を経るごとに良くなり続けたのか。答えは、その空間にお客様自身の人生——過去の記憶、今の暮らし、未来への願い——が織り込まれていたからでした。
自分の人生が現れた空間だから、自分の分身のように思える。だから、大切にしたくなる。育てたくなる。
私たちが間取りや素材の話を急がないのは、その織り込む材料を、まだ受け取っていないからです。人生を聞かないうちに図面を引くのは、素材を見ないまま料理を決めてしまうようなもの。だから初回は、あなたの物語を聞かせてください。それが、あなただけの空間の設計図になります。
一緒に喜べる関係かを、お互いに確かめたいから
ふたつ目の理由は、少し正直な話です。
以前、設計契約を交わしてから生き方のヒアリングを進めていく中で、「この方と一体になって設計できるだろうか」と感じたことがありました。設計が進むにつれて、だんだんと歯車が噛み合わなくなっていく感覚。仕事としては完成させました。でも、「やってよかった」とは、心から思えなかった。
その経験から、学んだことがあります。空間に愛が宿るには、つくる人と使う人が一体になれた方がより良い、と。そしてその一体感は、契約書を交わすより前に、お互いのあいだに芽生えているかどうかで決まる、と。
だから初回打合せは、一緒に良いものをつくれる関係かどうかを、お互いに確かめ合う時間です。片方だけが相手を選ぶ関係からは、一体感は生まれませんから。
その確認は、安心の場からしか生まれない
とはいえ、初対面でいきなり人生や本音を話せる人は、多くありません。それは、当然のことです。
だから、開いてもらうための責任は、こちら側にあると思っています。笑顔で迎える。相槌でしっかり受け取る。良し悪しを判断しない。そして、先に自分から開く。
安心して話せる場がなければ、本音は出てきません。本音が出てこなければ、一緒にやれるかどうかも、そもそもわからない。
安心の場がなければ、開示は生まれない
↓開示がなければ、共感は生まれない
↓共感がなければ、一体にはなれない
↓一体になれなければ、空間に愛は宿らない
だから、空間の話は後でいい
間取りも、素材も、デザインも、あとからいくらでも話せます。
でも、あなたの人生を聞かせてもらうことと、一緒に喜び合える関係を確かめ合うことは、最初の時間にしかできません。
私のすべては、子どもの頃、マッチ箱でつくった小物入れを人に喜んでもらえた——あの「相手の喜びが、自分の喜びになる」という感覚から始まっています。形は違っても、その感覚を知っている方と一緒に空間をつくれたら、これほど嬉しいことはありません。
初回打合せで空間の話をしないのは、その後の設計を本物にするための、一番大切な準備をしているからです。
まずは、あなたの話を聞かせてください。
株式会社MADARA
株式会社MADARA
代表取締役・一級建築士 高瀬
- ▶ モノづくりの原体験。
- ▶ 建てない建築士という選択。リノベーションにしかできない空間がある。
- ▶ 空間は、人を変える。
- ▶ なぜあの家は、時を経るごとに良くなったのか?
- ▶ 愛の本質は、一体感。
- ▶ なぜ私たちは、初回打合せで空間の話をしないのか。(この記事)
どう、クライアントの成果をつくるのか ——その方法はこちら
▶ 私たちの仕事は、リノベーションでクライアントに成果を出してもらうこと。あなたの人生の話を、聞かせてください。
MADARAでは、設計の前に、あなたのことを知ることから始めます。
その話から、一緒に始めましょう。
※ご相談は無料です