デザインは、最後でいい。 ——成果を出すリノベーションの「設計の順番」
デザインが美しいのに、なぜか選ばれない商品がある。おしゃれな内装なのに、なぜか選ばれない飲食店がある。内装にこだわったのに、なぜか予約が入らない宿がある。
「結局、デザインが良くても結果は出ないのか」——そう思ったことはないでしょうか?
半分は、その通りです。デザイン”だけ”が良くても、成果にはなりません。でも、残りの半分に答えがあります。成果を分けるのは、デザインの良し悪しではなく、その手前にある「設計の順番」です。
ここでいう設計とは、図面を引くことだけではありません。何を・誰に・どんな体験として届けるかを決める、すべての順番のことです。
実は、多くの設計者も、この広義の設計を経験と勘で行っています。ただ、その多くはなんとなくで、順番も定まっていません。(私がそうでした笑)だから、うまくいく時といかない時が生まれる。
MADARAは、この順番を明確な設計プロセスとして構造化しました。だから、成果が再現できるのです。
MADARAでは、デザインをいちばん最後にしか考えません。目的・市場・コンセプトが決まって、はじめてデザインに手をつけます。なぜなら、デザインは「何を・誰に・どんな体験として届けるか」が決まって初めて、力を発揮するものだからです。
蒲田の宿泊施設 ビフォーアフター
設計の順番とは何か
宿泊施設を例にとると、こうなります。そして各段階で、私は違う職能に切り替わります。
目的思考|このとき、私はコーチになる
何のためにつくるのか。誰の、どんな喜びをつくるのか。まず図面ではなく、オーナーの話をただ聴きます。コーチングとは、教えることではなく、その人の中にすでにある答えを引き出す対話の技術です。オーナー自身も言葉にできていなかった”本当の目的”が、対話の中から立ち上がってくる。
目的が定まると、その施設の個性が現れます。逆に、目的が曖昧なまま進めた設計は、最後までブレます。
マーケティング思考|このとき、私はマーケッターになる
誰のための空間か。ここでは一転して、外側の市場を冷静に読みます。万人向けを狙った空間ほど、結果として誰にも強く選ばれません。絞り込む勇気こそが、価値を明確にします。
内側の想い(01)に、届く相手の輪郭を与える。それがこの段階です。
ブランディング思考|このとき、私はプロデューサーになる
ターゲットが喜ぶ体験価値と、その空間だけの物語を設計します。物語の素材は、一つではありません。その土地・建物・エリアが歩んできた歴史と文化、これからのエリア像。商品やサービスの背景。そしてオーナー自身の人生。それぞれの過去・現在・未来を丁寧に読み解き、掛け合わせて、一つのコンセプトへ束ねていく。
この01〜03が揃ったとき、「何を・誰に・どんな体験として届けるか」=コンセプトが決まります。
実際の結果
新小岩の宿泊施設 ビフォーアフター
この順番で設計した東京・新小岩の宿泊施設では、開業1週間で2か月先の予約が3分の2埋まりました。12月の月売上は200万円超。賃貸運用と比べて3〜5倍の収益を実現しています。
そして、こんな口コミをいただいています。
「建物に入った瞬間に歓声が上がるほど素敵な空間でした」
「今までで一番綺麗で快適な素晴らしい宿でした」
「和モダンなデザインがとても落ち着く雰囲気でした」
数字だけでなく、泊まった方の感動として結果が出ています。
これは、宿泊施設だけの話ではありません
店舗も、オフィスも——順番は同じです。
フタバストア(店舗)
HIROKAオフィス(オフィス)
「何のためか」(目的)、「誰のためか」(マーケティング)、「何を提供するか」(ストーリー・体験価値)。この三つが決まってコンセプトができあがり、そこで初めて、デザインが必要になります。
デザインが美しいから選ばれるのではありません。目的があり、ターゲットが定まり、そのターゲットが喜ぶ体験がコンセプトに込められているから、選ばれるのです。
デザインが美しいから、収益を生むわけではありません。
ターゲットに深く選ばれる空間だからこそ、収益が続き、資産として価値が高まっていくのです。
目的 × マーケティング × ストーリー・体験価値。
この掛け合わせがコンセプトになり、選ばれ続ける空間の土台をつくります。
そして、コンセプトを「空間」に変える
ここまでが、設計の前半——「何をつくるか」を決めるプロセスです。
では、決まったコンセプトを、どうやって実際の空間に翻訳するのか。古い建物の中に眠る価値を見出し、新旧を重ね合わせて唯一無二の空間に仕立てる。ここで初めて、デザイナーの出番になります。MADARAはこれを「見立て」と呼んでいます。
そして、見立てで生まれた空間は、完成がゴールではありません。大切にしたくなる空間は、使う人が自然と手をかけ、育て、与え始めます。与えるほどに、空間は応えて返してくる。その循環が回り出したとき、成果は自走します。
さらにMADARAは、望まれれば、そこから先も伴走します。運営・集客・専門家、時には事業そのものの人脈まで——私のネットワークを活かして、オーナーが成果を出しきるために必要な人を繋ぐ。空間をつくって終わり、ではありません。
デザインは、この3つの思考の積み重ねの最後に来る。
だからこそ、選ばれ続ける空間になるのです。